辨 |
アラビアゴムノキ属 Senegalia(兒茶 érchá 屬)には、熱帯・亜熱帯に約200-220種がある。
ツルアカシア S. caesia(Acacia caesia;尖葉相思)
ペグノキ(アセンヤクノキ・カテキュアカシア) S. catechu(Acacia catechu, Mimosa catechuu
;兒茶) 『中薬志Ⅲ』pp.609-612、『中国本草図録』Ⅰ/0110
S. delavayi(Acacia delavayi;光葉藤兒茶・光葉金合歡)
S. pennata(Acaia pennata;印度藤兒茶・羽葉金合歡・蛇藤)
オキナワネム S. rugata(Acacia concinna, A.rugata;藤金合歡・金合歡)
『中国本草図録』Ⅸ/4180
アラビアゴムノキ(アフリカゴムノキ) S. senegal(Acacia senegal;阿拉伯膠樹)
生薬アラビアゴムは、本種又はその他同属植物の幹及び枝から得た
分泌物である(第十八改正日本薬局方)。
S. yunnanensis(Acacia yunnanensis;雲南兒茶・雲南相思樹・滇金合歡) 『雲南の植物Ⅱ』130
|
マメ科 Leguminosae(Fabaceae;豆 dòu 科・荳科)については、マメ科を見よ。 |
訓 |
阿仙薬(あせんやく)は、強い収斂性を持ち、止血・下痢止めなどに用いた生薬の和名。
Uncaria gambir(カギカズラ属を参照)から抽出したものをガンビール阿仙薬、Senegalia catechu から抽出したものをペグ阿仙薬という(今日の日本薬局方はガンビール阿仙薬を用いる)。
本種は旧来アセンヤクノキと呼ばれてきたが、Uncaria gambir と区別するために 近年はペグノキと呼ばれる。
|
種小名 catechu は、インド現地語からという(なお、ビンロウの種小名も catechu)。 |
説 |
雲南・ミャンマー・タイ・ヒマラヤ・インドに分布。
臺灣・浙江・兩廣・ジャワなどで栽培。 |
誌 |
中国では、芯材を砕いて煎じた汁を濃縮乾燥したものを阿仙薬(E.catechu;C.兒茶)と呼び、生薬・色料・香料・染料・革鞣し料・防腐剤などとして用いる。『(修訂) 中葯志』V/818-822
なお、Dichrostachys cinerea subsp. africanus(D.glomerata;柏勒樹)から同様の方法で柏勒兒茶を採り、薬用にする。『全國中草藥匯編
上』p.23 |
熱帯アジアでは、キンマ噛み betel chewing(ビンロウの誌を見よ)の主要な香料。 |